2ページ目/全2ページ 宍戸の肩から胸元にかけて回された鳳の腕には、強い力が込められている。 それが、鳳の思いの強さと比例しているようで、宍戸は頬が染まるのがわかった。 もう、何度も、鳳には好きだと告白されているけれど。 言葉よりも、彼の態度の方が、ずっと素直に気持ちが表現されているように思える。 「長太郎……。俺もお前と同じだ。お前とこうなれて……嬉しいよ。」 宍戸が、名前を呼びながら、愛しい人の方へ振り返ろうとする。 鳳は、そんな可愛らしい事を言う宍戸の唇を奪い、激しく吸い上げた。 小さく開かれた口唇から、鳳は舌を深く差し入れると、宍戸の口蓋を嘗め回し、 その柔らかな舌先を何度も味わった。 宍戸も必死で舌を合わせてくるが、鳳の激しい舌の動きに翻弄されて、息をすぐに 乱してしまった。 「あ、あ。……長太郎! 」 息もうまく付けず、あふれた唾液も飲み込めずに口唇から垂らし、宍戸は苦しげに泣き声を 出し始めた。 そんな切ない表情も可愛らしくて、鳳はもっと強く口唇を貪ってしまう。 宍戸を相手にしていると、鳳はすぐに我を忘れてしまう。 この甘い口唇も、言葉も、心も、身体全部が、今は鳳長太郎の物になったのだ。 鳳は、それを思うと興奮のあまり身震いする。今まで生きてきて、こんなに誰かを欲しいと 思った事はなかった。 そのまま背後から、小柄な恋人の身体を撫で回した。 宍戸は丸首のシャツとジーンズと言う軽装だった。その薄いシャツ越しに肌をさする度に 身体を小刻みに震わせていた。 「うあっ! 長太郎! 」 鳳が胸を触り始めると、宍戸が小さな悲鳴を上げて、木の手すりに爪を立てるように しがみついた。 鳳は、手の平で確かに感じた硬い粒の感触に、宍戸の気持ちの高まりに気がついて、 嬉しそうに笑った。 「宍戸さん。こんなに乳首が硬くなっていますよ。気持ちが良いんですか? 本当に敏感ですね。嫌らしくて、なんて可愛い身体なんだろう。」 鳳は、感嘆したようにそう言うと、シャツの中へ両手を入れ、その二つの尖りを直接、 指先で摘んだ。宍戸の反応を見ながら、優しく揉んであげた。 芯はコリコリとしているが、弾力があって柔らかな出触りだった。 「長太郎! 止めろ! 外から俺達は見えているぞ! 」 周りには、今、4〜5隻の船が停泊している。 自分達からほんの50メートル先に、隣の船が浮かんでいるのだ。 真っ暗な夜空のせいで、視界が利かないといっても、宍戸の瞳には、隣の船の開け放たれた 窓辺に、人の影が揺れているのが見えていた。 きっと、向うからは、自分達二人の姿もわかっているのに、違いなかった。 宍戸が抵抗して暴れる度に、シャツがまくれ上がり、白いすべすべした腹が剥き出しになる。 鳳は、その肌の美しさに興奮し、思わず、宍戸の頬に口唇を当てキスをした。 「宍戸さん、誰も俺達なんて、見ていませんよ。みんなが見ているのは……。 ほら、あれですよ! 」 宍戸が促されて上空を見ると、パッと明るい光の輪が広がった。 次に真っ白な尾を引いて、水面に流れて行く光の帯があった。 打ち上げ花火が始まったのだった。 岸辺や、周りの船から、大きな歓声が上がっている。 宍戸の頭上で、白い巨大な花が次々に広がっている。 その美しい姿に、思わず、宍戸も身体の動きを止めて見惚れてしまった。 鳳は、静かになってしまった宍戸の滑らかな肌にキスを繰り返していた。 白く光る首筋に噛みついて、赤い歯型を付けてしまった。 花火の光で、照らし出される引き締まった宍戸の身体は、彫刻のように美しい。 鳳は、畳の上に膝をつくと、シャツを捲くり、宍戸の背にも舌を滑らせた。 背中の筋肉の弾力を味わうように、ゆっくりと歯を立てる。そうしながら、相手のジーンズの ベルトを緩め、いっきに下着と共に膝まで引きおろした。 「長太郎! 」 宍戸の上げた驚きに溢れた叫び声を無視し、鳳は、剥き出しになった白い双丘を撫でまわし、 その場所にもキスをした。 後編へ続きます!コチラへお進みください→ ![]() 1ページ目へ戻る ![]() 小説目次ページへ戻る ![]() |